【T氏の悲劇〜中華編〜】
「ジョニーさんたち遅いなぁ・・・刀を取り返すとか言ってたけど、本当に大丈夫なのかな・・・負けてこの船とられちゃったりして・・・」
「なかなかいい勘してるわね。」
「え・・・?」
「この船は私が貰い受けることになったわ。ジョニーと一緒に立ち退いてね。」
「すまん・・・そういうことになった・・・なんとかしばらく自活してくれ。」
「そ、そんな・・・」
〜数日後〜
「さて、今日の夕餉はなににするか・・・久しぶりにパスタでも・・・ん?あれは・・・ディズィー!?」
「ハァ、あんな急に出て行けって言われても行く所なんかないよ・・・どうしようかな、今日も野宿かな・・・」
「・・・・・・(どういうことだ?ディズィーはあそこの一員になれたのではなかったのか?)」
「だいたいなんでジョニーさんの賭け事で私が出て行かなきゃなんないんだろ・・・」
「・・・・・・(賭け事だと!あのボケが!)」
「どうしよう・・・森に帰ろうかな・・・テスタメント楽させてくれるし。」
「・・・・・・!!ディ」
「ああああああああああ!丁度いいところに暇人発見ヨ!ちょっと来るネ!」
「な、なんだ貴様!私は今忙し」
「万年隠遁生活のあんたがなんで忙しいヨ?さ、いいから来るヨロシ。」
「ちょっ、やめ、ディィィィズィィィィーーーー・・・・!」
「ロン毛追加!」
ドサッ
「グッ・・・なんだというのだ一体・・・」
「やっとジェネレーションが私についてきたネ。というわけでバイトが足りないアルヨ。」
「それと私を攫うのとなんの関係が・・・」
「しっかり働くヨロシ!」
「・・・つまり、バイトということか。全く・・・自分勝手な娘だ。」
「おや?新入りかね?」
「スレイヤー・・・ようやく職に就けたか。良かったな。」
「うむ。これでシャロンにも怒られずに済む。」
「出前戻りましたーーー!」
「グラサン遅いヨ!さっさと皿洗いするネ!」
「はい!ってあれ、テスタ・・・?」
「貴様・・・よく私の前に顔を出せたなこの甲斐性なしが!」
「う、だから頑張ってバイトしてんだよ!」
「コラ!喋ってる暇があったらさっさと料理運ぶネ!」
「はい!今行きます!」
「・・・・・・・・・・・・」
「ロンゲ!お前も早くするネ!」
「・・・仕方ない、少し手伝ってやるとするか。」
「だが実際なかなかの客入りだな。以前は閑古鳥が鳴いていると聞いていたが。」
「ついこの間宣伝部長ができてな。客の8割は彼女の働きだ。」
「ほう、それは誰が。」
バン!
「おーっす!二人捕まえてきたぞ!」
「てめ、このやろ!離せ!」
「何なのさ一体!?」
「部長!宣伝お疲れ様ネ!」
「・・・宣伝、か?」
「宣伝だろ?」
「いや、あれは明らかに・・・」
「宣伝なんだよ!」
「(突っ込んじゃ駄目なのか・・・)」
「くそ!梅喧のやろう・・・よりによってこんな所に連れて来やがって・・・!」
「まあ、ちょうど飯食うところ探してたんだしいいじゃん。」
「馬鹿が。お前はこの店に充満してる匂いが分かんねぇのか?」
「え?匂い・・・てこれは、まさか!?」
「気付くの遅ぇよ馬鹿。」
「お待ちどーアルー!」
「おい、まだ何も頼んでねぇぞ。」
「いまはキャンペーン中で超豪華!四川バナナ尽くしの旅コースしかないね。」
「・・・・・・・・・・」
「え・・・と、この料理(?)は一体・・・?」
「ああ、それは丸ごとバナナを細かくして炒めたものネ。」
「んじゃあこっちの料理(?)は?」
「そっちはバナナ出汁のスープネ。具には固めに練ったクリームを使ってるヨ。」

「・・・・・・・・・・」
「凄惨だな。」
「あぁ。俺らはバイトで入ってるから助かってるが、客として入ったらまず死ぬぞ。」
「(ディズィーがここに来ませんように・・・)」
「や、やっと食べ終わった・・・!」
「飯ってこんな厳しいものだったんだな・・・」
「紗夢〜、お勘定を」
「まだデザートが残ってるヨ。」

「え゛・・・・・・」
「究極!バナナフォンデュネ!」
「中華ですらない!?」
「くそ・・・こうなったら長期戦だ。テレビでも見ながら少しづつかたしていくぞ。」
プチッ チャラララ〜チャラララ〜ラ〜チャラララ〜チャラララ〜ラ〜ラララ〜
「あ、冬ソナだ。」
「うわ、いらねー・・・チャンネル替え」
「ヨン様ーーーーーーーーーーーー!」
ドゴォ!
「ぐぉ!?」
「なんでこんな時間にヨン様が!?バイト!新聞!!」
「ほいきた。」
「え・・・と、再放送アルカ!盲点だったネ!」
「てめぇ、なに冬ソナ如きでんな騒いでんだよ。」
「なに言ってるよ!こんな名作めったにないネ!」
「・・・そうかなぁ?」
「いやー?」
「ム、二人は何がきにくわないアルカ?」
「いや〜気に食わないって言うか。」
「まあ、一言で言うなら。」

「ペだし。」
「・・・(ピクッ)。」
「なんかおばさんとかが「ヨン様ー!」とかよく騒いでるけど正直かっこよくもないし・・・」
「所詮はペって感じだよな。」
「・・・てめぇら、もっぺん言ってみやがれ。」
「え?」
「ん?」
「さっきから黙って聞いてやってりゃペ、ペ、って調子こいてんじゃねぇぞゴラァ!ヨン様だっつってんだろうが!」
「いや、実際ペだろうが!なにが悪いんだ!」
「あ〜もう!お前らちょっとこい!ヨン様の魅力を徹底的に叩き込んでやる!!」
「ていうか、ちょっとストップ!」
「あんだよ?」
「いや、なんか標準語になってるんだけど・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・フゥ〜。」
「え、何、そのやれやれみたいな溜め息?」
「あのな、中国人だからってアル、とかヨ、とか語尾に付けるわけねぇだろ?馬っ鹿じゃねぇの?」
「・・・つけないのか。」
「そうなんだよ。俺らもついこの間知ったんだ。」
「だがそれならば一体なぜあのしゃべりかたを?」
「キャラ作りだそうだ。」
「・・・・・・は?」
「妃悠磨には料理に対する愛情、華堅には高級食材と互いに売りがある。もちろん味も一流だしな。そこで彼女が武器として考え付いたのが」
「あの喋り方ということか・・・」
「お〜い!バイトー!」
「ハイ!」
「ちょっとこの馬鹿共にヨン様の素晴らしさを叩き込んでくるから厨房任せる!」
「はい!」
「あと、ヨン様ちゃんとビデオにとってあるだろうな。」
「やってあります!」
「(このノリにはついていけんな・・・)」
「おし、んじゃ来い、おまえら。」
「えーーー、勘弁してよー・・・」
「来ないなら力ずくで連れて行くぞ。」
「はっ二対一で大した自信だな。行くぞアクセル!」
「ほいきた!こめんね、紗夢!」
「・・・・・!」
ビシッバシッ カーゥンター
「て、うを!?」
「げ、なんかいつもより強い!?」
「うおらぁーーー!」
スラーッシュ
「おっし、行くか。」
ズルズルズルズルズルズルズル・・・
「・・・行ったな。」
「あぁ。ときにテスタメント。君は料理の方を任せてもよいかね?」
「構わない。というかお前らできないのか?」
「私の主食は血だ。調理の必要は無い。」
「俺は調理当番のローテーションには入ってないしな。ていうかむしろなんでお前はできんだよ?」
「ディズィーに家事をさせるわけにはいくまい。」
「あ、そーゆーことか。ほんと過保護だな、お前。」
カランカラ〜ン
「む、客か。」
「お、すいてるなラッキー。」
「なんだ貴様らか。」
「なんだよその言い方。客に対して失礼だぞ。会長!入れそうですよ!」
「おお、そうか。ではみんな、入れ。」
ZFC一同「おーーーーーーーーーーー!」
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ
「多いな!」
「うむ。実はまだパーティーをやっていないことに気付いてな。急遽企画したのだ。」
「パーティー?」
「『お帰り!ザトー様パーティー』だ!」
ZFC一同「うおーーーーーーーーーーー!」
「ほんと凄え数だな。何人いるんだよ?」
「・・・70人位か?」
「急な召集だったから一割も来てないけどな。」
「それにしても、これでは手が足りんな。テスタメント、我々が準備をしておくから店長を呼んできてくれ。」
「分かった。」
「この部屋か。店長、客がたくさん来たぞ。」
・・・・・・・・・・・・
「返事がないな。入るぞ。」
ギィィィィィィ・・・
「えっとここに接続して・・・おっし、スイッチオン!」
「ヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイ」
「ヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウ」
「これは・・・洗脳!?」
「お?どうした店でなんかあったか?」
「・・・客が来た。かなりの大人数だったぞ。」
「え、マジ!?おっし稼ぐぞーーーー!」
「・・・・・・」
「ヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイヨン様カッコイイ」
「ヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウヨン様サイコウ」
「流石にこれはやり過ぎだな・・・外してやろう。」
ベキン!
「ぶはっ・・・た、助かった・・・」
「死ぬかと思った・・・ありがとう。」
「ああ、見つからないうちに早く行くがいい。」
「おう、今度一杯おごるぜ!」
「楽しみにしておこう。さて、私も店に戻るとするか。」
「では先に飲み物の注文だけとっておこう。」
「丸ごとバナナ濃縮還元スープ人数分。」
「なに!?」
「どうした?品切れなのか?」
「いや、樽十個分以上余っているが・・・なぜこれを?」
「ああ、実は先日のレースの後、ザトー様があれを飲んでな。気に入られたらしい。」
「アレ、オイシイヨネ。」
「・・・そうか。本当に全員それでいいのか?」
「ザトーさんの好物は俺らの好物!」
ZFC一同「うおおーーーーーーーーーーー!」
「そうか・・・なら何も言うまい。」
バンッ
「はいおまたせー!飲み物なににしたネ?」
「(あ、戻ってる。)」
「丸ごとバナナ濃縮還元スープを人数分だそうだ。」
「え・・・?」
「そこの彼が好物だそうでな。」
「ドウモ。」
「・・・・・・・・・・・・・・」
スタスタスタ、ガシ!
「いい味覚してるネ!」
「イヤーソレホドデモ。」
「よ〜し!じゃあ、ジャンジャン持ってくるアル!」
「お、もうこんな時間か。それではそろそろお開きにしよう。」
ZFC一同「エーーーーーーーーーーーーーーー!」
「ミンナ、チャント寝ナイト駄目ダヨ。」
ZFC一同「ううおおーーーーーーーーーーー!」
「はい、じゃあ皆、行くぞ!」
ZFC一同「ごちそうさまでした!」
「はい、また来てネーー。」
「ふう、流石に疲れたな。」
「ああ、かなり盛り上がってたしな。」
カランカラ〜ン
「あれ?もう閉店ですか?」
「ああ、悪いけど」
「カイ様ーーーーーーーーーーー!!」
「あ、紗夢さん。こんばんは。」
「カイ様ならいつだって大歓迎ヨ!」
「は、はぁ。それではお言葉に甘えて・・・」
「あ〜あ、始まっちまったよ。」
「まあ、ちょうどいい。この隙に少し休ませてもらおう。」
「テレビでも見るか。」
プチッ チャラララ〜チャラララ〜ラ〜チャラララ〜チャラララ〜ラ〜ラララ〜
「あ、冬ソナだ。」
「・・・・・・・!」
「今度は騒がないのだな。」
「多分いま心のなかでカイとヨンが争ってんじゃねぇか?」
「ああ、これは確か・・・ペさんでしたね。」
「あ、やべ・・・」
「・・・!ペって言うなーーーーーーーーーーー!!」
「な、どうしたんですか!?」
「ペって言うなーーーーーーーーーーーー!!!」
「しかし彼の名前はペですよ!?」
「ヨン様だよヨ・ン・サ・マ!もう、どいつもこいつも!!」
「ヨンジュンが勝ったらしいな。」
「また一人ご案内か?」
「そうなりそうだな。流石にもう助けるのは無理だな。」
「では我々は帰るとしよう。」
「そだな。また明日ーー!」
ガチャ、パタン
「ふぅ・・・久々に騒がしい一日だった。」
「あ、テスタメントさん、おかえりなさい。」
「ディ、ディズィー!?」
「実は、しばらく船にいられなくなって・・・他に行く所も思いつかなかったんです。」
「・・・・・・・」
「ご迷惑、でしたか?」
「いや!そんなことは全く無い!ゆっくりしていくといい!!」
「ああ、良かった。それじゃあまたお世話になりますね。」
「(やったーーーーーーーーーーーーーーーー!)」
「(あーよかった、衣食住確保♪)」
終わり
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